【NewsLetter198】薬物依存症のクニ

僕はもう一人じゃない

今回私は、福岡から9時間かけて、鳥取ダルクで行われる、よしみ先生のカウンセリングに出るため、福岡の仲間たちと行ってきました。

最初行く前は、子供の頃からそういうものに関心がなかった私は、「カウンセリング? 何しに行くの? 何が変わるの?」って感じでした。ただ遠いなぁと思っていました。

私が以前いたダルクの仲間たちも数名、鳥取にいたので、福岡に来てきてからは昔の自分や格好悪い自分を出さないようにしてた私は、昔の自分がバレるのではないかと、そんな気持ちがありました。私の中に、変なプライドがあったんでしょうね。

福岡の仲間はみんな若くて、心の中では自分が年上だとか、もう46歳だとか、そんな意地を張っていたんですが、そんなプライドも、仮面も意地も全てなくすことができました。

私はカウンセリングの初日、仲間の前に出ることになりました。そこで私が言われたことは、「手放す物ある?」でした。

私は悩みながらも、子供の時のいじめのこと、家でのこと、家でのきっかけとなった親との関係のことなどの話をしました。

私は自分の逆恨みから、中々、他人に心を開けませんでした。

子供の時、親から言われてきた一言。「私たちのこどもだからできるはず。何でできないの?」。

その言葉のせいで友達ができない。友達に心を開けない。そのせいでいじめにあってきたし、そのせいで家出をした。そのせいで薬と出会った、とずっと思い続けていました。

だから仲間の前でそんな話をすると、過去と同じように、また一人になってしまうと心配していました。

普段m「ミーティングは、恥をかくところ」「みんな、上も下もなく、できなくて当たり前」「仲間に感謝」なんて言いながらも、またどこかで変なプライドから仲間に対して心を開いていなかったんです。

でも昔を思い出し、涙が出た時、そんな不安は飛んでいきました。周りの仲間が共感してくれたんです。「ありがとう、話してくれて」。

そう言われた時、私は仮面を手放すことができました。

仲間が私の話を聞いて、私と一緒に泣いてくれました。

もう一人じゃない! 仲間が一緒にいてくれることで、私は初めて偽りの仮面なしで人前で泣くことや恥をかくこと、意地を張らずにいることの気持ち良さを知りました。

最後に、私の仮面を外す気脚気をくれたよしみ先生。ダルクの仲間たち。ダルクサポーターズの皆さん。ありがとう。今回新しい家族ができたような気がします。感謝。

カテゴリー: 198号(2017年5月), ニューズレター タグ: , , パーマリンク